地元・茨城の筑波山に登ってきました。
筑波山では例年6月頃になると、この山の固有種であるホシザキユキノシタが咲きます。筑波山で発見され、筑波山のみに生育するこの花は、一時期絶滅したと思われていましたが、昭和34年に男体山で現存が確認され、今では麓のつくば市の花にも選ばれています。
梅雨の走りで蒸し暑いこの時期ではありましたが、「苦行」に耐えてホームマウンテンに会いに行きました。
ホームマウンテンなんて言いながら今回歩いた「薬王院コース」はお初。
いつも歩いている御幸ヶ原、白雲橋とかのメインコースに比べれば歩いている人は少なめですね。
薬王院の駐車場は無料で利用できますが、写真の③の駐車場が登山者用でその他の2カ所は参拝者用。
それではコロナ明け登山にレッツラゴーであります。
薬王院は下山後にお参りするとして、先にお山を目指します。
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筑波山では、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言を受けて、4月半ばから山麓の各登山口にあるほぼすべての駐車場が封鎖、ケーブルカーとロープウェイは運行休止、TXつくば駅からのシャトルバスも全便運休となり、GW期間中は各登山道も閉鎖されました。
その後、5月14日の県の緊急事態宣言の解除を受けて、5月18日より順次これらの措置が解除されました(5月31日に登山自体は全ルートで解除された模様)。
6月8日以降、茨城県では、東京圏(一都四県)・北海道以外からの県内外移動についても(一応)移動自粛要請は解除されたようです。
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出発から40分ほど、林道(舗装路)と交差するまではなだらかな道です。
距離的にはここで大体中間点みたいですが、ここから・・・
薬王院コースの名物・階段地獄が始まる。
早朝でまだ涼しい(はずの)時間帯ですが、はや蒸し暑い・・・。
ひたすら階段が続きますね。
歩幅が合わないと苦労しそう。
およそ780段あるそうですが、よく整備したもんだと感心。
次に歩くなら涼しい秋とか冬が良いな。
七八?
↑?
謎です・・・。
残り約1km、階段地獄の終盤に癒やしが。
ようやく陽の光が差してきました。
薬王院コースは筑波山の西側から登るので、朝方は標高が上がるまであんまり陽が当たりませんね。
道がフラットになってくると、男体山の山頂直下をぐるっと一周する自然研究路と合流します。
麓からここまで小石を持って登れば、おのれの罪や過ちが消えるとされる伝説の「大石重ね」。
罪深い連中のなんと多い事よ・・・。
他にも願いが叶うとか 、疲れずに登れるとかいろいろ謂われがあります。
先に男体山の頂上を目指します。
自然研究路は、ケーブルカーの山頂駅もある御幸ヶ原を起点に1周1時間ほどで回れるハイキングコースです。
がっつり登山装備という程では無いけど、回るなら運動靴くらいは履いてた方が良いでしょう。
「自粛」してる間に、すっかり新緑が目にまぶしい季節となってしまいましたね。
小鳥のさえずりも聞こえる。
途中にある展望台からは、霞みに浮かぶお隣の宝筐山(ほうきょうさん)が見えた。
自然研究路は一部崩落していて迂回路がつけられています。
迂回路の山頂直下の急登を登り切れば双耳峰の一つ・男体山の山頂に到着。
まだ霞がかかっていて遠くまで見渡せず。
もっとも男体山の山頂からの見晴らしはあんまり良くないですが。
さて、この男体山の山頂付近にお目当ての花があるはずなので探してみると・・・。
これではなくて(サラサドウダン?もきれいだけど)・・・
見つけました・・・が、まだ蕾ですね。
来るのが早かったか・・・。
周囲も良く探してみたら、2,3株だけ咲いていました。
男体山の自生地のものはちょっとフライング気味だったので、麓の筑波山神社に移植されたものをば少々。
小指の先ほどの小さな花です。
一般的に見られる「ユキノシタ」の変種らしいですが、分かってないと見分けは難しい。
あんまり自信ありませんが、多分「ホシザキ」だと思いますよw。
皇后さまが県の自然博物館で標本を見たとき「星のような花」と感想を述べられたそうですが、実際、星に似ていたことから「ホシザキ(星咲)」の名が付けられたようです。
今度は山頂の自生地にたくさん咲いている時にまた来てみたい。
目的は(一応)果たせたので、男体山の山頂から再び自然研究路に戻り、立身石(りっしんせき)へ。
筑波山に数ある奇岩の中でも1番大きいらしい巨岩で、高さは20m程あります。
立身石の横側から階段で上に登れますが、そこからの眺望は女体山頂からのものと引けをとらない。
・・・まあ、この日はガスってましたが。
毎度おなじみの御幸ヶ原までやって来ました。
思ったより早く来られたので、女体山の方にも足を向けましょうか。
後光が指す奇岩・ガマ石。
女体山に来ましたが、まだ「乗り物組」は来てない時間帯にもかかわらず結構賑やかですね。
「自粛」が(一応)終わったので、みんな待ってたのかな?
今日はお賽銭だけ入れて帰りましょう。
御幸ヶ原の売店も営業開始したようです。
麓の宿泊施設等はまだの所もあるようで、これからも大変だろうけど頑張って頂きたい・・・。
御幸ヶ原まで戻ってきました。
下界はガスが広がってましたが、山頂より上はすっかり青空が広がってた。
自然研究路から薬王院へと下山します。
これからは苔が美しくなる季節ですね。
満開のズミ?と青楓。
ズミは山頂一帯でも良く咲いていました。
紫陽花も時期的に良い頃合いになってきましたね。
この時間でも結構登ってくる人がいましたが、気温も上がってきてたし階段の所はさすがにしんどそう。
黙々と階段を下ります。
さすがにこの時期、筑波山くらいの山だと下山も蒸し風呂状態(この日は各地で30℃越え)。
高い山に行きたい・・・。
最後に薬王院にお参りしていきましょう。
県の重要文化財にもなっている立派な三重塔。
二重しか写ってませんが・・・。
紫陽花があると涼しげに見える。
そして・・・
椎尾山薬王院の「スダジイ樹叢(じゅそう)」として県の天然記念物に指定されているスダジイの巨木群。
樹齢300~500年にもなるスダジイが、境内一帯にたくさん生い茂っています。
筑波山の西麓にある椎尾山・薬王院(しいおさん・やくおういん)は西暦782年(延暦元年)に最仙上人が開山したとされる天台宗の古刹です。
筑波山には、筑波山神社をはじめ、坂東三十三箇所観音霊場・第25番札所の筑波山大御堂もあります。
無事下山できた御礼とコロナの収束をお願いして登山終了。
「自粛」明けは、何はともあれホームマウンテンでしょと言うことで、筑波山を歩いてまいりました。
例年の筑波山だと、この時期になれば蒸し暑くて多少登山者も減ってくる頃なんでしょうが、コロナ騒ぎの自粛生活で鬱憤の溜まっていたのかw(人のこと言えないけど)、予想以上に多くの人が歩いていました。
今後も様子を見ながらの登山になるでしょうが、良いスタートは切れたかな。
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【コースタイム】
薬王院登山者駐車場5:33ー鬼ヶ作林道出合6:13ー自然研究路分岐7:01ー7:15展望台7:20
ー7:36男体山7:58ー8:02立身石8:05ー御幸ヶ原8:14ー8:27女体山8:29ー8:42御幸ヶ原8:54
ー自然研究路分岐9:03ー鬼ヶ作林道9:37ー10:01椎尾山薬王院10:23
ー10:25薬王院登山者駐車場 (合計時間:4時間52分、6月上旬)
【累積標高】
699 m (登り)
715 m (下り)
【歩行距離】
8.4 km