日光の鳴虫山(なきむしやま)に行ってきました。
日光方面で登山というと、大抵は奥日光の男体山をはじめとする日光連山の山々、または戦場ヶ原や中禅寺湖畔のハイキングが定番ですが、鳴虫山は東武日光駅やJR日光駅から登山口が近くアクセスがとても良いので、観光地ともなっている並び地蔵と憾満ヶ淵(かんまんがふち)とあわせて歩くハイカーが多いようです。
五月の爽やかな季節、緑と赤のコラボが楽しめたハイクのレコです。
史上空前のGW10連休中は、お仕事がたったの9日しかなく休みがなんと1日もあったホワイトなお勤め形態のtenfurlongです令和あけましておめでとうございます。
日光市内から日光連山を望む。
男体山と女峰山はこの日1日中、山頂に雲がかかっていました。
駅から日光東照宮方面にしばらく歩いて御幸町交差点を左折、さらに天〇教の丁字路を左に少し歩くと登山口の看板があります。
コース中にはトイレはありませんが、ここまでに公衆トイレ、コンビニもあるのでその点は安心。
この看板から本格的にハイキング開始です。
前回から1ヶ月近く間が開いてしまいましたが、元号は平成から令和に、お山は白い世界から緑の世界に変わっていました。
新緑がまぶしく、空気もおいしい(ような気がする)。
ここら辺はブナやミズナラ?ですかね、明るい森です。
途中にあった天王山神社にちょっとお参り。
植生が杉やヒノキ?に変わりました。
こちらは一転暗め。
さらに新緑のトンネルの中を歩き、まず今日のルート最初のピーク・神ノ主山(こうのすやま)に向かいます。
看板からひと登りで神ノ主山山頂、ベンチなどもあり女峰山の方にだけ展望が開けてました。
奥日光に行くときに日光宇都宮道路を使うと、神ノ主山トンネルと鳴虫山トンネルを通るんですが、今日はその上を歩いているんだな。
登山道の左右で木の種類が違うのが面白い。
さらに先へと進みます。
2日前に大雨が降ったのであまり期待していませんでしたが、
ヤマツツジがちらほら出てきました。
まだ頑張っていてくれたみたいです。
新緑と交互にヤマツツジが増えてきた。
陽当たりの良いところは散っていましたが
日陰になっているような所はこんな感じでもっさり咲いているところも。
4月中旬くらいのアカヤシオから始まってトウゴクミツバツツジ、シロヤシオと順々に咲いていき最後を締めるのがこのヤマツツジ。
意外と大きな木もありました。
アカヤシオが咲く4月半ば頃だとまだ新緑って感じはなさそうですが、葉っぱがない代わりに見晴らしは良いようです。
神ノ主山からは木の根っこがむき出しの登山道が続きます。
ある意味この山の名物ですが、雨のあとなんかは滑りやすいでしょうね。
と、所々に現れ始める謎の「山」(?)石柱。
山頂付近ではまだ蕾のものもあったのでもう少し楽しめそう。
標高が上がると登山道から離れた斜面でも結構咲いていました。
この謎の「1」標識が見えると山頂は近い。
今年は不順だったようです。
鳴虫山への最後の登りですが、木の根っこがすごいな・・・。
最後もヤマツツジがお出迎えしてくれました。
というわけで標高1103m、鳴虫山山頂到着です。
この山に雲がかかると雨になることから「泣き虫山」と呼ばれ、それが転じて「鳴虫山」になったのが山名の由来だとか。
あまり展望はありませんが、雲がかかった女峰山と日光の町並みが望めました。
しばし休憩の後、憾満ヶ淵(かんまんがふち)の方へ降りていきます。
下りはじめは階段が設置されてましたが、かなり急。
トウゴクミツバツツジは散ってましたが、こちらのコースも
ヤマツツジが頑張ってくれていました。
赤と緑が良い感じにコラボレーション。
と、ヤマツツジにごまかされてますが・・・
下山してるはずなのに微妙に登ってますね・・・
何回かアップダウンを繰り返し、プチピークの度に現れるこやつ・・・。
何度目かの「山」が現れ
合峰到着ですが、あんまり標高下がってないな・・・。
鳴虫山には日光の修行僧が良く登っていたようで、ここ合峰は重要な修験の地だったんだとか。
『その昔、この山には「祢々(ねね)」(「ねーねー」と鳴くかららしい)という虫の妖怪(河童との説も)が住み着いて、悪さをしては人々を困らせておったそうな・・・』
『そんな時、二荒山神社の拝殿に納められていた大太刀がひとりでに鞘から抜け出し、その妖怪を追いかけ回して神社の境内まで追い詰めると、ついにはその妖怪を斬り伏せて人々を救ったとさ。
めでたし、めでたし・・・』
・・・と言うか、この伝説の方が山名の由来っぽいと思いますが・・・。
mnsatlas.com
dic.pixiv.net
現在、重要文化財に指定され二荒山神社に収蔵されてる「山金造波文蛭巻大太刀(やまがねづくりはもんひるまきのおおだち)」がその伝説の大太刀で、以来その太刀を「祢々切丸(ねねきりまる)」と号するようになったんだとか。
刀をモチーフにした某人気オンラインゲームでもその「男子」がいるようです。
と、昔話に思いをはせつつ、どこか投げやりな感じの独標まで降りてきました。
ここら辺は急坂でロープを使いつつ慎重に降ります。
と、思ったらまたプチ登りでリハビリハイクの身には精神的にも結構しんどい。
やっとこさ林道まで降りてきました。
ここまで来ればあとはフラットな道。
良い匂いがしましたが、何の花ですかね?
日光宇都宮道の高架下をくぐり
憾満ヶ淵(かんまんがふち)へ向かいます。
ここら辺は観光地なので道も綺麗に整備されてます。
と、その憾満ヶ淵沿いに
並び地蔵です。
その名の通りお地蔵様がたくさん並んでいました。
当初は100体のお地蔵様がいたそうですが、明治時代の洪水の時に流されてしまい現在は70体ほどに減ってしまったそうです。
台座だけになってしまった元?お地蔵様にもひとつひとつ帽子とよだれかけ?が供えられていました。
参詣者がお地蔵様の数を数えると、行きと帰りで違うことからいつしか「化け地蔵」とも呼ばれるように。
お地蔵様一人一人微妙に表情が違いますね。
優しいお顔のお地蔵様がお気に入り。
憾満ヶ淵。
この日は暑かったんですがここら辺は涼しくて良い感じ。
紅葉の頃も綺麗でしょうね。
憾満ヶ淵沿いの藤がちょうど満開でした。
ここら辺は日本人より外国人観光客の方が多かったです。
外国の人の方がこういうスポットはよく知ってるようです。
なぜか一本だけ真っ赤に染まってました。
近くのお茶屋さんで名物のそば団子と抹茶ソフトを食べつつしばしのんびり。
大谷川沿いに駅の方へと戻ります。
日光二社一寺手前の神橋。
平日でも観光客であふれており、さすが世界遺産といったところ。
再び駅まで戻ってきて今日のハイクは終了。
と、言うわけで初夏の日差しを浴びながらの日光ゆるゆるハイクでした。
山の方に登るならさすがにそれなりの登山装備は必要でしょうが、並び地蔵と憾満ヶ淵の方はそんな必要もなく、観光客もそれほど多くなかったです(平日だからかも)。
日光東照宮辺りからも徒歩10分程度なので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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【コースタイム】
東武日光駅7:20ー7:38鳴虫山登山口7:41ー7:47天王山7:49ー8:23神ノ主山8:27
ー9:50鳴虫山10:00ー合峰10:23ー独標10:52ー11:34並び地蔵・憾満ヶ淵12:08
ー神橋12:48ー13:14東武日光駅 (合計時間:5時間54分、5月下旬)
【累積標高】
633 m(登り)
613 m(下り)
【歩行距離】
12.27 km