機織りの女神様が住まう山に秋の訪れを告げる草紅葉 @巻機山

新潟・群馬県境にある巻機山(まきはたやま)に登ってきました。

機織りの女神様(美女とかお姫様らしい)が住むと言う伝説が山名の由来になったともいわれる巻機山は、日本百名山にも数えられる上越国境を代表する山のひとつです。

同じ日本百名山でもクライマーの聖地・谷川岳や越後三山のような周囲の険峻な山々とは対照的になだらかでたおやかな女性的山容は、「まきはたやま」というロマンチックで優雅な響きの名前とよく合っています。

初秋の巻機山は、ちょうど草紅葉が綺麗に色づいていました。

 

 

登山口となる桜坂駐車場です。

何カ所か駐車スペースがあり、全部で50台くらいは停められそうな感じです。

この日は平日でしたが、すでに20台くらい停まってました。

 

 

ここら辺の山の登山口にある癒やし系?看板。

やさぐれた心と爆弾を抱えたヒザでゆっくり登っていきましょう。

 

 

井戸尾根コースが一般コースでヌクビ沢・天狗尾根は上級者向け、ということで当然井戸尾根コースで参りまする。

 

 

七合目あたりまではほとんど森の中、ひんやりして空気はもう秋ですね。

 

 

豪雪地帯の山でよく見られるこんな感じの曲がった木は、冬場に降り積もった大量の雪の重みで曲がってしまうそう。

 

 

綺麗なブナ林を見つつさらに登っていきます。

 

 

ちょっとだけ視界が開ける五合目(焼松)まで登ってきました。

登山口から標高差が1200m強ありけど、このコースは危険箇所も特になく全体的に登りやすい。

 

 

五合目からがかなり長く感じられますが、さらに登って六合目(展望台)到着。
左手の天狗岩と真ん中にヌクビ沢が見えるけど奥(に見えるはず)の割引岳(われめきだけ)は雲の中・・・。

もう少しすればここも紅葉に染まってとても綺麗になるはず。

 

 

さらに登って灌木帯を過ぎ、森林限界を超える七合目辺りから木々にも赤が混じり始めてきました。

 

 

登るにつれてガスが切れて晴れてきた?

 

 

なんとかこのまま山頂まで天気が持ってほしいんですがね・・・。

ちなみにこの山は巻機山ではなく「ニセ」巻機山(前巻機)。

麓から見えるのはこちらの山みたいです。

 

 

八合目まで登ってきました。
ここら辺は地元のボランティアの方々の手によって、植生の修復保護活動が行われ木段も整備されています。
五合目からここ八合目あたりまでがなかなかしんどいんけど、ここからがこの山のお楽しみの始まり。

 

 

ちらほらハイカーさんと出会うようになってきましたが、登り始めが遅かったので出会う人は下山する人ばかり。

でも、山頂の方は晴れてきたよとうれしい情報が。

 

 

登るにつれ左右の草紅葉も良い感じで色づいていました。

 

 

そして、ようやく・・・

 

 

本日の目的地・巻機山本峰が見えてきましたよ~。

 

 

と、その前に九合目のニセ巻機山(前巻機)です。

麓からだとこの「ニセ」の奥に隠れて本当の巻機山が見えないからなんでしょうが、それにしてもニセはあんまりじゃないか・・・。

 

 

機織りの女神様が住むと言われる巻機山、どこが山頂か分からないほどなだらかでたおやかな山容です。

こりゃ相当な美女が住んでそうですな、ぐふふ・・・。

織姫伝説の山、巻機の紹介 | info. Zontatta

 

 

草紅葉が綺麗に色づく中、木道をしばし下っていくと

 

 

巻機山避難小屋に到着。

なんてええ場所に建っとるんや・・・。

 

 

行く先はやっぱりガスって来ましたがね!

 

 

避難小屋からひと登りでガスまみれの竜王の池、山地図上だと織姫の池とよばれる池塘に到着。

晴れてれば水面に逆さ巻機が見られるんだけどね・・・。

 

 下山するハイカーさん達を見送りつつ草紅葉の草原を登り切ると

 

 

女神様が機を織っていたという御機屋(おはたや、井戸尾根コース分岐)に到着。

巻機山頂」って書いてあるけど本当の最高点(ピーク)はもう牛ヶ岳の方にもう少し歩きます。

 

 

巻機山の頂上一帯を全部含めて「御機屋」と呼んでいるようです。

先ほどニセ巻機の方から見たように、目立ったピークと言ったものが見当たらないようなお山なので、あそこが山頂と言ってもあながち間違いではないか。

 

 

ピークが見えてきました。

麓の魚沼地域は古く機織りが盛んだったようで、登山口の清水集落には機織りの神様とされる巻機権現を祀った巻機神社があり、巻機山を機織りの神様が住む山と信仰していたようです。

巻機権現火渡り | 全国観光情報サイト 全国観るなび 南魚沼市 (日本観光振興協会)

 

 

と、その前に巻機山の番人?笑ゥせぇる〇まんがお出迎え。

 

 

で、石が積まれただけで山頂感がまるで無い巻機山最高点(標高1967m)に到着です。

相変わらず寂しいね・・・。

 

 

そして景色も絶望的なほど寂しいw

 

 

牛ヶ岳の方へ足を伸ばしてみます。

巻機山から牛ヶ岳にかけてはこの時期なら金色の草原が続く稜線歩きが楽しめるはずですが・・・。

 

 

助さん、角さん、もう良いでしょう・・・。

時間も時間だしこんな天気じゃ女神様(山ガール)もいねえし

 

 

今回もガスまみれだったten氏をあざ笑う番人。

 

 

ピークで一人寂しく栄養補給した後、再び御機屋の分岐まで戻って下山します。

 

 

収穫期を迎えた稲穂みたい。

巻機山の麓・魚沼地域は言わずと知れた日本一おいしいコシヒカリで有名。

米がうまい→水が綺麗→山が良いということか。

 

 

晴れてないけどこれはこれで幻想的。

 

 

竜王の池(織姫の池)まで戻ってふと振り返ると

 

 

山頂晴れてる(笑)

とんだツンデレちゃんですね。

ま~たやられたよ・・・。

 

 

ぶつくさ言いながら下りていきます。

葉っぱの方もあと1週間くらいで真っ黄色になるかな?

 

 

再び避難小屋まで戻ってきました。

山頂でこの天気になってよ・・・。

 

 

晴れた巻機山を恨めしげに横目に見つつ「ニセ」へ登り返します。

 

 

・・・上越国境の中でもあまり人に登られていない桧倉ノ頭、柄沢山、米子頭山、巻機山の連峰・・・これらの山々の中で、最も高く、最も立派なのが巻機山である。(中略)

巻機山というやさしい名前と共に、この隠れた美しい山を、私は上越国境中の一名山として挙げたい。  

 

日本百名山」(巻機山

 

 

とは言え、深田センセが巻機山に登ったときも山頂は霧まみれだったそうですけど。

 

 

振り返ると行きはガスに隠れがちだった割引岳も見えてました。

 

 

ニセ巻機山まで登り返してきて、巻機山も見納めです。

今度は夏にリベンジしまふ・・・。

 

 

再びモクモク沸き出てきたガスに追われつつ急ぎ下山します。

 

 

ブナの大木とか苔とか見つつ五合目まで無心で下りてきました。

下りでも六合目から五合目がやたら長い・・・。

 

 

日差しがすっかり夕暮れの趣。

 

 

三合五勺とか六合七勺とか微妙な区切りの標識がありましたが、大体3分の1,3分の2ってことかな?

 

 

登山口まで無事戻ってきました。

すっかり日も短くなってきましたね・・・。

 

 

最後はススキにお出迎えされた秋の気配漂うハイクでした。

 

 

3年ぶりくらいで登ってきましたが(前回もガッスガスw)、巻機山はやっぱり良いお山でした。

今回も歩けませんでしたが(笑)、次回こそは稜線続きの牛ヶ岳、割引岳の方まで足を伸ばしたい思います。
夏は池塘や稜線伝いに花々が咲き乱れるようですし、この山はただ単にピークハントするより避難小屋に泊まってのんびり歩くのが最高の歩き方かなと。

リピーターが多い山というのも納得の巻機山のレコでした。

 

・・・ちなみに、当日の朝まで隣の苗場山とどちらに行くか迷って巻機山に行きましたが、苗場山はこの日ピーカンだったみたいです(笑)。

 

 

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【コースタイム】

  桜坂駐車場9:45ー10:32五合目(焼松)10:36ー11:08六合目(展望台)11:16

  ー12:26ニセ巻機山12:28ー巻機山避難小屋12:35ー御機屋13:00ー13:08巻機山13:29

  ー13:38御機屋13:40ー巻機山避難小屋14:02ー14:12ニセ巻機山14:13ー六合目14:58

  ー15:18五合目15:27ー15:59桜坂駐車場   (合計時間:6時間14分、9月下旬)

 

【累積標高】

  1315 m(登り)

  1313 m(下り)

 

【歩行距離】

  13.15 km