瑞牆山は、奥秩父山域の主脈にある山で日本百名山(ついでに山梨百名山)の一座にも数えられています。
日本における標高が高い山のTop3(富士山、北岳、間ノ岳)が揃う山梨県にあって、2230mと言う標高は目立つものではありませんが、岩の要塞とも言えるその特異な山容は百名山に選ばれるに相応しい。
登りに行ったらちょうどシャクナゲが見頃で、目を楽しませてくれました。
JR韮崎駅から1時間ほどバスに揺られてみずがき山荘までやって来ました。
平日でもバスに結構乗っていましたが、皆さんテント泊なのか重装備で隣の金峰山(きんぷさん・きんぽうさん)と一緒に回るみたいです。
山荘の向かい側が登山口。
バスで来るとスタートが10時過ぎになってしまうので巻いていこう。
早速新緑がまぶしい。
登山口から富士見平小屋あたりまでは、ミズナラを中心にクヌギやシラカバなどの森が広がってるようです。
里宮があったのでお参りしていきましょう。
古くから信仰の山でもあった瑞牆山は、空海が開山したとの伝説もあります。
空海が岩に「カンマンボロン」(梵字で大日如来、不動明王の意)と刻んだとされる跡が見られるルート(バリエーション)もあります。
里宮を過ぎると・・・
本日の目的地・瑞牆山(みずがきやま)が見えました。
「瑞牆山」という一般人にはまず読めないww山名の由来は、この岩峰の様を神社の周囲の垣根(玉垣)=「瑞牆」に見立てたことからとの説が一般的なようです。
岩峰群を持った山は他にもあるが、瑞牆山のユニークな点は、その岩峰が樹林帯と混合しているところである。まるで針葉樹の大森林から、ニョキニョキと岩が生えているような趣である。
さて、目的地を拝めたところで先に行きましょう。
さらに水場からひと登りで
富士見平小屋です。
登山口からも近く、百名山の瑞牆山・金峰山どちらにもアクセスが良いので、この小屋前のテント場がテント泊デビューという人も多いようです。
この日もすでに何張りかテントが張られていました。
小屋周りのレンゲツツジは咲き始めといったところ。
小屋の地ビールが大変気になるところですが、グッとこらえ先へ進みます。
富士見平小屋から天鳥川(あまとりがわ)まではしばらく下り。
時期的には苔が生き生きしてくる頃ですね。
天鳥川(あまとりがわ)出合の徒渉地点まで降りてきました。
水が本当に綺麗です。
天鳥川からひと登りで桃太郎岩。
ぱっくり割れてますが、桃太郎はいませんでした。
天鳥川から先は鎖場、岩場が出てきますが、慎重に行けば問題ないかと。
一部登山道が崩壊してるところがあります。
絶対に「止」めたいという意思がひしひしと伝わってくる。
登山道の脇を流れる小川のせせらぎを聞きながら登っていきます。
ここら辺からアズマシャクナゲさんが登場。
ツツジ(ムラサキヤシオ?)もちょっとだけ。
登り始めが遅かったので出会うのはみんな下山してくる人たち。
みんな早いですね。
登りがきつくなってきますが、所々現れるシャクナゲが癒やしてくれる。
標高、距離的に見ればハイキング+αくらいですが、こういう鎖場なんかが多いので数字以上に結構大変かも。
緑やら赤を見て疲れをごまかす。
さらに登っていきます。
シャクナゲも陽当たりの良いところはもう終盤。
少しずつ空が見え始め、さらに岩場を登っていくと・・・
瑞牆山の名物・大ヤスリ岩です。
今日は登ってる人はいませんでしたが、クライマーにとってはメジャーな所のようです。
まあオイラは、己の限界を試すために山に来ているわけではないので(笑)、見るだけで十分ですが。
一般ハイカーにとっては山頂手前あたりが一番大変ですかね。
三点支持で慎重に登っていった方が安全、下山時も後ろ向きに下った方が安全でしょう。
山頂手前の分岐まで登ってきました。
天気も良い具合、ここまで来ればあとちょっと。
最後のひと登りを越えると、空が見えてきた。
アズマシャクナゲのお出迎えを受けて・・・
標高2230m、瑞牆山の山頂に到着です。
さすが日本一日照時間が長い(とされる)山梨県北杜市の山、晴れてます(笑)。
ちなみに北杜市には境界のものも含めて日本百名山が5座(八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山、金峰山、瑞牆山)あるみたい。
瑞牆山の東側にはこちらも日本百名山で奥秩父山域の盟主・金峰山(きんぷさん)。
山頂に鎮座する五丈石もよく見えました。
南側、富士さんは雲に隠れちゃって、ちょっと恥ずかしかったのかな。
南アルプス方面は残念ながら雲の中。
西側、八ヶ岳も山頂に雲がかかってました。
断崖絶壁な山頂でやんす。
ちょうど昼時で皆さん最高のランチタイム。
山頂標識が新しくなってました。
前の丸っこい方が味があったんですがね、隅の方にひっそり置いてありました。
山頂から眼下に望む大ヤスリ岩。
金峰山の五丈石、南アルプス・鳳凰三山(地蔵岳)のオベリスクと、ここら辺の山にはシンボリックな岩が多い。
これを登るとはね・・・。
上から見ると山頂周辺は、まさに森の中から岩がニョキニョキとした感じ。
大ヤスリ岩を筆頭に瑞牆山一帯がクライマーの聖地と言うのも頷ける。
山の方には雲がかかっていましたが、それほど暑くもなく良い天気の中登ることが出来ました。
山頂のシャクナゲが一番綺麗に咲いていたかな。
色の濃いものが多かったです。
蕾のものも多かったのでまだ楽しめそうでした。
シャクナゲさん達に見送られ下山します。
しばらくぶりの山頂からの展望を十分堪能できました。
はじめは不動滝の方へ降りる周回コースを予定してましたが、山頂でのんびりしすぎてバスの時間に間に合いそうもないので元来た道を戻ります。
平日だと最終バスが15:20山荘発(土休日は16:20、2019.6月現在)なので、平日バス利用での周回コースはかなり急がないと厳しいか(この日のコースタイムは山地図の標準タイムより2~3割ほど巻いたようですが)。
時間的に多少余裕が出来たのでのんびり降りていきます。
遅い時間ですが富士見平小屋泊まりの方でしょうか、登ってくる人もちらほらいました。
泊まりなら十分余裕があるしな~、いいな~。
天鳥川まで降りてきてひと休み。
と、ここから富士見平小屋までの登り返しがつらい・・・。
ひいこら登っているとさっきまでいた瑞牆山と大ヤスリ岩がチラリズム。
やっと富士見平小屋まで戻ってきました。
瑞牆山の山バッジ(500円)をゲット。
小屋から緑のトンネルの中を降りていきます。
木々の隙間から再び瑞牆山が見えてきました。
朝よりは青空が広がってました。
前回来た紅葉の時期も良かったので、次回はまた秋にでも金峰山と一緒に回ろうかな。
それまでしばしのお別れ。
ミズナラの静かな森の中をのんびり降りていきます。
道がなだらかになれば、山荘まであと少し。
無事下山してきました。
天候も良く期待以上にシャクナゲも咲いていて充実のハイキングとなりました。
近くに増富ラジウム温泉がありますが、バスで来ると(日帰りハイクだと)寄るのはちょっと大変そうです。
増富温泉からみずがき山荘までは、金峰山・瑞牆山を源流とする本谷川渓谷沿いに道路が通っていて前回秋に来たときは紅葉がとても綺麗でした。
温泉中心にここら辺をのんびり歩くのも良いかも。
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【コースタイム】
みずがき山荘10:18ー10:56富士見平小屋10:57ー天鳥川出合11:21ー桃太郎岩11:23
ー大ヤスリ岩12:20ー12:36瑞牆山13:06ー13:26大ヤスリ岩13:30ー桃太郎岩14:04
ー天鳥川出合14:07ー14:24富士見平小屋14:36ー15:05みずがき山荘
(合計時間:4時間47分、6月中旬)
【累積標高】
835 m (登り)
821 m (下り)
【歩行距離】
6.61 km