新潟・長野県境にある苗場山(なえばさん)に登ってきました。
上越国境あたりの山に登るとまず目につくお山、山の上の方を包丁ですっぱり切ってしまったかのように山頂部分が真っ平ら(正確には少し傾いてるけど)になっているのが今回登った苗場山です。
日本には、国土地理院の25000分の1地形図に掲載されているものだけで16667座の山があるそうですが、これほど特異な形をした山も珍しいのでは。
周りの山から眺めてばかりでタイミングが合わず、なかなか登る機会がありませんでしたが、今回やっと登ることができました。
新潟県側からのメイン登山口である祓川登山口の駐車場(500円)です。
何カ所か駐車スペースがあり50台くらいは停められそうでした。
駐車場の向かいに一応公衆トイレあり。
駐車場から和田小屋までは20分ほど舗装路を歩きますが、この時期でも結構ジリジリ暑いので夏場だとしんどそう・・・。
小屋宿泊かタクシー利用の人はここ和田小屋まで車で来られるようです。
登山届のBOXもここにありました。
和田小屋から本格的な登山道となります。
和田小屋からは標準コースタイムで山頂まで4時間(帰りは2時間半)。
しばらくスキーゲレンデ?を歩いた後、脇の樹林帯に入ります。
登り始めの標高1400m付近はまだ色づきはじめと言ったところ。
樹林帯の中は涼しくて助かる・・・。
しばらく登って六合目到着。
この先〇合「半」と半合刻みで標識がありました。
登るにつれて色づきが良くなってきた~。
少し森を抜けたところでは秋晴れの綺麗な空が広がってました。
登山口から1時間半ほど歩き綺麗な木道が現れると、ベンチがある下ノ芝に到着です。
この先、中ノ芝、上ノ芝と続きます。
皆さん結構ゆっくりめのペースですが、泊まりかな?
ブナですかね?
ここら辺は黄色が優勢。
七合半に到着すると、少し開けて眼下に湯沢の街?が見下ろせました。
七合半の先、ちょっと興ざめなスキー場のリフトの建物が見えてさらにひと登りすると・・・
中ノ芝に到着です。
下ノ芝からは2~30分ほど。
ここの紅葉はちょうどピークのようでした。
見晴らしも良くベンチも整備されていて休憩にはもってこい。
しばし休憩した後、紅葉の中をさらに登っていきます。
筋雲が秋っぽいですね。
中ノ芝を過ぎるとだんだん展望が開けてきます。
中ノ芝からさらに10分ほど登った上ノ芝周辺では草紅葉が綺麗でした。
小松原湿原からのルートと合流し、文字通りの「股スリ」岩を越えると前方に苗場山手前のピーク・神楽ヶ峰(かぐらがみね)が見えてきました。
八合目の神楽ヶ峰、大体ここで和田小屋から3分の2くらいですかね。
ここまでは案外ゆるやかで歩きやすい。
この看板の脇、ちょっと登った茂みの中に三角点あり。
神楽ヶ峰の眼下には田代湖とカッサダムが見下ろせました。
奥の方には、谷川岳をはじめ上越国境の山並み、尾瀬の燧ヶ岳と至仏山、日光連山が見えた。
そして、神楽ヶ峰から少し先へ行くと・・・
本日の目的地が見えてきましたよ~。
「鯨の背」の異名もある苗場山、そのどっしりとした山容が拝めました。
ここから見た感じだと、山頂に広がるあの風景は全く想像できませんが・・・。
神楽ヶ峰から苗場山との鞍部のお花畑まで下りてきました。
ここから山頂まで2~300mほど登り返し・・・。
紅葉も良い具合ですね(逆光だけど・・・)。
夏場だと山頂の湿原はもちろん、雷清水(水場)からこのお花畑辺りにかけてもたくさんの花々が咲き乱れるみたいです。
今年はできればその頃来たかった・・・。
さて、登り返しです。
ここから山頂までの登りはこれまでと打って変わって急登になります。
ここからは赤と黄が入り乱れての紅葉の共演。
九合目の雲尾坂まで登ってくればあと一踏ん張り。
山頂直下は左右を見れば結構な断崖。
胸突き八丁とはよく言ったもんで、どんな山でも最後はやっぱり大変やで。
でも、そんな急登を登り切ると・・・
えっ?!
いきなり平地になりました(笑)
もし苗場が平凡な山であったら、ただの奥山として放っておかれただろう。ところがこれは人の眼を惹かずにはおかない。そして一ぺんその山を見たら、その名を問わずにはおられない特徴を持っている。すぐれた個性は、どんなに隠れようとしても、世にあらわれるものである。
「日本百名山」(苗場山)
ウソみたいだろ。
これが山頂なんだぜ・・・。
by タ〇チ(違)
こんなご時世ですからGoogle先生にでも聞けばすぐに、いくらでも写真が出てきますが、やっぱり写真で見るのと実際に来て見るのとでは違いますな。
とりあえず右奥のちょっと小高い山頂に向かいまする。
とは言え、足が止まってしまうな・・・。
とりあえず全く山頂らしくない山頂(標高2145m)に到着です。
山頂の周りだけ木が茂っていて展望がないのはなぜ?(笑)。
山頂から少し下りたところにある苗場山頂ヒュッテ(苗場山自然体験交流センター)に立ち寄ります。
コーヒーなんかも飲めるみたいですね。
ここで登頂の証に登山バッジ購入しました(600円)。
平日でしたが、この日も泊まり組が結構多かったようです。
小赤沢の方から登って来たという山頂で居合わせた方は、今日はここにお泊まりだとか。
うらやましい・・・。
この次の日も好天予報だったし、目の前は最高のロケーション。
朝日や夕陽に照らされる草紅葉はさぞかし綺麗でしょうね。
次回来たときはぜひ自分もお泊まりしたいところ。
それにしても呆れるほど真っ平ら(笑)。
まさしく、The・テーブルマウンテン。
湿原にはつきものの池塘ですが、苗場山には大小合わせて3000ほどあるそうです。
「苗場山」と言う山名の由来は、湿原にある無数の池塘を田んぼ(苗代)に見立て、そこに生えるミヤマホタルイやヤチスゲが苗のように繁っている様からと言われています(諸説あり)。
稲作の守り神として伊米神社が山頂に祀られていることからも、古くから麓の人々に信仰されていた様子がうかがえます。
https://naeba-geo.org/naebasan
木道が果てなく続いていきますが、それにしても広い。
山頂湿原の広さは約600ヘクタールあり、日本の重要湿地にも選ばれているんだとか。
1日かけて歩き倒したい。
ケルンのあるベンチで一休み。
ぼーっと眺めるのもまた良し。
そしてこの時期ならではの草紅葉の金色の草原。
こんな景色から、ハイカーの間では「ナ〇シカ山」として有名な苗場山。
これから行かれる方は、是非青いレインジャケットを着て金色の野に降り立ってみて下さい(笑)。
山頂の周りをぼーっと歩いていましたが
もう14時じゃねーか (゚Д゚;)!!
残念だけど今回はこれで見納め。
後ろ髪引かれる思いで元来た道を下山します・・・。
神楽ヶ峰への登り返しがつらいでしかし。
この時間でも登ってくる人はまだ結構いましたが、下山する人は見かけず。
やっぱり泊まりで来るのが正解のようです(笑)。
秋の日はつるべ落とし。
上ノ芝の草紅葉に癒やされつつ先を急ぎます。
下ノ芝あたりでやっと(はじめて)下山してる人に追いつく。
山頂でのんびりしすぎたか。
夕陽に森が照れされます。
再び和田小屋まで戻ってきましたが、すっかり夕暮れですな。
前回に引き続き今回も最後はススキがお出迎え。
回収BOXに駐車料金の500円を入れて本日の登山は終了。
天空の庭園とも雲上の楽園とも言われる苗場山の山頂に広がる広大な湿原。
今回は草紅葉の金色の草原が広がる様を見ることができてよかったです。
次に来るとしたら高山植物が咲き乱れる春から夏にかけてかな?
登山コースも四方から伸びているので、季節を変え、コースを変えこれからも何度も訪れたいと思います。
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【コースタイム】
祓川登山口駐車場9:21ー9:42和田小屋9:46ー10:51下ノ芝10:56ー11:22中ノ芝11:27
ー上ノ芝11:36ー小松原分岐11:44ー11:54神楽ヶ峰11:56ー雷清水12:06ー13:03苗場山13:13
ー13:17苗場山自然体験交流センター13:29ー雷清水14:20ー14:31神楽ヶ峰14:44
ー小松原分岐14:52ー上ノ芝14:56ー中ノ芝15:05ー下ノ芝15:22ー16:10和田小屋16:13
ー16:27祓川登山口駐車場 (合計時間:7時間20分、10月上旬)
【累積標高】
1239 m(登り)
1223 m(下り)
【歩行距離】
15.18 km