夏が来たのではるかな尾瀬へ・キンコウカのお花畑広がる東北最高峰 @燧ヶ岳

水芭蕉の季節は終わってしまいましたが、尾瀬にある燧ヶ岳(ひうちがたけ)に登ってきました。

燧ヶ岳は至仏山と並ぶ尾瀬のシンボルともいえる山で、その際だった双耳峰から、北関東辺りの山に登った時には真っ先に見つけることができます。

その二つのピークはそれぞれ俎嵓(まないたぐら、2346m)、柴安嵓(しばやすぐら)と呼ばれ、柴安嵓の標高2356mは東北(北海道も含めて)最高点で、標高2,300mを越える山としては日本最北に位置します。

今回はちょうどキンコウカの花が見頃で、いい時期に歩くことが出来ました。

 

 

朝5時半、福島県檜枝岐村にある福島側の尾瀬への入り口・御池登山口まではるばるやってきました。

気温20℃弱で下界の猛暑が嘘のようで、さすがは尾瀬

 

 

本当は同じ「ひうち」でも、今年は新潟の火打山に行こうと思っていたんですが、「ひうち」違いでこちらの山に。

 

 

登山口から少し歩くと、三条の滝・見晴の方へ回るルート(裏燧林道)との分岐。

燧ヶ岳までは4.5km、コースタイムで4時間弱。

 

 

木道はすぐ終わり、初っぱなから激しい登りが始まります。

 

 

岩岩したところもあったりでなかなかの急登が続きますが、所々木道が整備されてます。

 

 

小1時間の急登を登り切ると視界が開けてきました。

 

 

尾瀬っぽくなってきましたよ、ガスってるけど・・・。

天気はピーカン予報だったので、湿原特有の朝靄みたいな感じでしょうか。 

 

 

ギボウシかな?

所々に咲いてました。

 

 

展望はありませんが、ここらへんからキンコウカが一面に広がる。

ここらあたりのものはちょっとピーク過ぎた感じ。

 

 

御池ルートにある小湿原のひとつ広沢田代に到着。

 

 

本日の主役・キンコウカさんです。

キンコウカは、燧ヶ岳の近くにある田代山を代表する花として、「花の百名山」の中で紹介されています。

 

 

ガスは相変わらずですが、これはこれで幻想的でいいかも。

 

 

広沢田代にはこんな感じの池塘(ちとう、湿原の泥炭層に出来る池沼)があっていい感じ。

 

 

木道のすぐ脇までキンコウカが咲き誇ってました。

この上にあるもう一つの湿原・熊沢田代も期待できそう。

 

 

ちょっとだけガスが切れて日差しが出たり。

この日は御池ルートの往復で歩く予定なので下山する頃には晴れてるかな。

 

 

この時間でも結構ハイカーが歩いているのはさすが尾瀬

 

 

キンコウカを見ながらしばらくのんびりハイクが続きます。

 

 

広沢田代を過ぎたあたりで半分弱の4合目くらい。

こんな感じのプレートが合目ごとにたびたび設置されてます。

 

 

広沢田代を過ぎるとのんびりハイクも終わり・・・

 

 

またしんどい登りが始まりまする。

 

 

気持ちさっきよりは明るくはなってきたか。

 

 

やっと半分ですが、気温も高くないのでここまでいいペース。

 

 

小さい広場のような湿原の木道を過ぎると・・・

 

 

再び視界が開けてきました。

 

 

ゆるやかな木道を下って曲がった先に

 

 

晴れてれば正面にど~んと燧ヶ岳が見えるはずの熊沢田代です。

風の通り道みたいで結構肌寒い。

 

 

熊沢田代には木道を挟んで左右に二つの大きな池塘があります。

相変わらずのガス具合なのでちょっと休憩。

 

 

ガスまみれなので帰りに期待して先に行こうとしたら・・・

 

 

お?

 

 

おお?

 

 

おおお?

 

 

これはもしかして・・・

 

 

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

ほんの数分であっという間に晴れました~。

 

 

先ほどまでのガスガスぶりが嘘のように一気にThe・夏山って感じに。

素晴らしひ・・・。

 

 

池塘の奥にキンコウカのお花畑が広がっていました。

太陽の日を浴びて黄色がよく映える。

 

 

もう山頂なんか行かないで、ここでぼーっとしててもいいんじゃないのかなw

 

 

清々しい(きよきよしい)青空。

 

 

振り返って熊沢田代。

 

 

帰りも楽しみに、とりあえず山頂を目指すとします。

 

 

熊沢田代の上の方ではキンコウカに混じってまだワタスゲさんも頑張ってました。

 

 

登るにつれ空の青が濃くなってきましたョ。

 

 

7合目から8合目は石が転がってて足場が悪く歩きづらい。

ここら辺でこの日最初の下山者、早いな~。

 

 

熊沢田代もはるか下になりました。

奥に見えるはずの会津駒ヶ岳の方はガスに巻かれてますね。

 

 

やっとこさ8合目。

7合目から8合目は結構長い感じがしましたが、もうちょっと。

 

 

8合目から9合目は結構すぐ。

ここを乗り越えると・・・

 

 

燧ヶ岳ひとつ目のピーク・俎嵓(まないたぐら、2346m)に到着。

 

 

北側、会津駒ヶ岳は雲海の中。

 

 

南側に目を転じれば眼下に尾瀬沼、その奥に日光連山。

尾瀬沼は燧ヶ岳の噴火によって只見川が堰き止められて出来たそうです。

 

 

そして、燧ヶ岳最高点のある柴安嵓(しばやすくら)。

燧ヶ岳にはこのほかに小さなピークが3つ(御池岳、赤ナグレ岳、ミノブチ岳)、計5つのピークがあります。

 

 

俎嵓から20分ほど、下って登り返すと・・・

 

 

燧ヶ岳最高点・柴安嵓(2356m)に到着です。

北海道も含め東北以北で最高峰、標高2300m越えの山としては日本最北です。

 

 

正面にははるかな尾瀬が広がります。

考えてみれば山ばかりで尾瀬ヶ原はまだ歩いたことないな・・・。

 

 

ちょっと雲かぶってますが、その奥に尾瀬のもう一つのシンボル・至仏山(2228m)。

燧ヶ岳は火山ですが、至仏山は岩石が隆起して出来た山だそうです。

高山植物の宝庫なので、初夏のこの時期は登山に最もいい頃でしょうね。

 

 

俎嵓に比べ、柴安嵓の山頂は広め。

 

 

しばし山頂からの景色を楽しみ、俎嵓に戻ります。

 

 

本日最後の登り(返し)。

 

 

再び俎嵓へ戻ってきました。

さっきよりだいぶ登山者が増えて賑やかに。

 

 

俎嵓からは長英新道を下って尾瀬沼、大江湿原を経て沼山峠、そこからシャトルバスで御池に戻るコースもとれます。

今年は大江湿原のニッコウキスゲが不作とのことで、今回はこのまま御池登山口に戻りました。

 

 

まだまだ多くの人が続々登ってくるので、石を落とさないよう慎重に降ります。

この時間になると会津駒ヶ岳の雲もとれましたね。

 

 

熊沢田代まで降りてきました。

ここからはボーナス・ステージ。

 

 

もう語ることはありませぬな。

陽を浴びて心なしかキンコウカも朝方より元気に見えます。

 

 

熊沢田代のベンチから燧ヶ岳を振り返ります。
ここでいつまでもゴロゴロしていたい・・・。

 

 

帰り道もまた素晴らしいですが。

 

 

名残惜しいですが、下山します。

何度も燧ヶ岳を振り返ってしまいますな。

 

 

また来るぜよ。

 

 

この時間でも登られて来る人たちは、今日は尾瀬の山小屋泊まりかな?

うらやましい限り。

 

 

こういう道ならいつまでも歩いていられるんだけど。

 

 

熊沢田代から30分ほど下って再び広沢田代まで戻ってきました。

 

 

こちらも朝のガスが嘘みたいにすっかりいい天気に。

 

 

池塘に青空が映り込んで綺麗です。

 

 

広沢田代からさらに30分ほど黙々と山を降りて

 

 

御池登山口まで無事戻ってきました。

車の数もだいぶ増えてましたが、さすがにこの時間になると暑い・・・。

 

♪夏が来~れば・・・といことで、去年の会津駒ヶ岳に続いて尾瀬に行って参りましたが、ここら辺はやっぱりいい山域ですね。

ここまで来るのが大変なんですが、まだまだ行きたい山もたくさんあるし、何度登ってもいい山が多くて困りますネ・・・。

 

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【コースタイム】

  御池登山口5:43ー6:41広沢田代6:42ー7:22熊沢田代7:32ー8:38俎嵓8:41

  ー8:59燧ヶ岳(柴安嵓)9:21ー9:35俎嵓9:36ー10:31熊沢田代10:40ー11:12広沢田代11:13

  ー11:44御池登山口  (合計時間:6時間1分、7月24日)

 

【累積標高】

  890 m(登り)

  877 m(下り)

 

【歩行距離】

  10.07 km