福島・安達太良山と鉄山を歩いてきました。
安達太良山と言えば、なんと言っても高村光太郎「智恵子抄」で有名な「ほんとの空」と沼ノ平の荒涼とした大噴火口が大きな見所です。
山登りをするようになって以来、自分もこの山には何度も登りに来ていますが、初めて登った6年前(くらい?)に見て以来、毎度天気が悪くて見られた記憶がない(笑)。
この日は別の山に行くつもりでしたが、安達太良山の天気がドピーカン予報だったので記憶を呼び覚ましに予定を変更して行ってきました。
毎度おなじみ、流浪の番組・タモリくら安達太良山のメインゲート・奥岳登山口より登山届けを出して出発します。
この時期、登山口でお出迎えしてくれるのはタニウツギ。
今日は、五葉松平・薬師岳の方から周回で歩きます。
スキーゲレンデの脇を沿うような感じで登山道がつけられてます。
ゲレンデには入っちゃダメよ。
足下にはツマトリソウ?かな。
標高が上がってくるとタニウツギもまだ蕾。
太陽もだいぶ上がってきて、新緑がまぶしい。
樹林帯を抜けると(自分的に)この山にしては怖いくらいwwwの青空が。
ここら辺からぽつぽつとイワカガミ登場。
五葉松平まで登ってきましたが、振り返ればまだ雲海が広がってた。
安達太良山の主稜線が見渡せました。
今日は素直なのね、安達太良ちゃん。
五葉松平からひと登りで薬師岳に到着です。
ここまではゴンドラリフトで来られるので、紅葉の時期なんか激混み。
と、この少し先に・・・
智恵子は東京に空が無いという
ほんとの空が見たいという
(中略)
阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとの空だという
あどけない空の話である。
ほんとの空です。
安達太良山って本当に青い空が毎日出ているんですか?
自分6年ぶりくらいなんすけど・・・。
ちなみに茨城は見渡す限り空と田んぼばかりです、高い山ねえし。
ほんとの空の余韻に浸りつつ、山頂を目指しましょう。
ここら辺りは一般観光客も歩けるように木道が整備されてます。
(山頂を目指す場合はあくまで登山装備が必要ですが)
オオカメノキ(ムシカリ)、一輪だけ早咲きのシャクナゲ、ムラサキヤシオと、ここからは時期の花が咲いてました。
もう少し後だとサラサドウダンが咲き誇るはずですが、こちらはまだ蕾。
この山の上の空ってたしかに広いような気がしますね。
松ぼっくり見つつ仙女平分岐へ。
「表」と言いつつあんまり登ってる人を見かけない表登山道と合流します。
雪渓バックにムラサキヤシオ。
ここら辺はオオカメノキとの共演。
この天気、山頂までもつのか?(笑)
芸術が爆発した感じのモニュメントもとい標識。
ここら辺は風強いので冬だと一面シュカブラですね。
さすが東北の山、少しですがまだ雪渓が残ってました。
登山道で雪が残っていたのはここら辺だけ。
山頂が見えてくると付近の岩場にはミネズオウ(峰蘇芳)が咲いてました。
山頂手前の分岐から主稜線を望む。
今日は(今のところ)天気が良いので、鉄山まで足を伸ばしたいところ。
山頂直下まで来ました。
まだ晴れてる。
ツンデレの安達太良ちゃんは最後まで油断ならないからな・・・。
晴れたまま到着できました~(笑)。
山頂の北側は、沼ノ平の爆裂火口(ここからは見えないけど)越しにまだ雪が薄ら残った日本百名山・吾妻連峰。
お隣、西側にはこちらも日本百名山で会津の宝・磐梯山が薄らと。
続いて南側、安達太良主稜線上の和尚山方面。
そして東側、麓の二本松の街の方。
ぐるっと一週ちょっと薄曇りって感じですが、自分的には十分でやんす。
考えてみれば令和最初の百名山登頂。
新元号になったし、この山で奇跡的(笑)に晴れたしここから改めて日本百名山を目指そうかな。
日本百名山登頂1座目、やったね!
天気が良いうちに鉄山に向かいましょう。
安達太良山から鉄山に至る馬の背と呼ばれるこの稜線は強風地帯。
火山特有の硫黄の匂いもきつくなってきました。
地面の色も火山っぽくなってきましたぜ。
そして・・・
見えてきましたよ・・・
安達太良山と言えばこの沼ノ平の爆裂火口、6年ぶりのご対面ですが相変わらずのド迫力です。
ちなみにここら辺は暴風が吹き荒れてます。
風が強いのでとりあえず鉄山の方へ向かいます。
涙が止まらない。
6年ぶりにまたあなたに出会えて、・・・じゃなくて暴風で打ち付ける砂埃と強烈な硫黄臭が目に染みて。
強風を逃れ岩陰に隠れて一息。
鉄山側から沼ノ平を望む。
この日はドピーカン予報だったので「ほんとの空」ルートで歩きましたが、この沼ノ平の火口壁をぐるっと一週回るルートもいずれ歩きたいところ。
岩場のイワカガミを見ながら登っていきます。
鉄山山頂の岩場を取り囲むようにミネズオウが咲き乱れてました。
標識ないけど鉄山山頂、でいいのかな・・・?
ちなみに安達太良山本峰の標高は1700m(1699.6m)、ここ鉄山は1709m、昨年秋に歩いた連峰最高峰の箕輪山は1728m。
来た道を戻ります。
風強いけどなかなか感じの良い稜線歩き。
再び爆裂火口とご対面。
直径約1km、深さ約250m程の大きさでおよそ1万年前から6回の大噴火を起こしてこんな感じになったようですね。
以前はこの沼ノ平の真ん中を歩いてくろがね小屋まで至るルートがあったんですが、有毒火山ガスで4名の犠牲者を出した1997年の遭難事故以来廃道に。
現在もこの火口周辺はガスの噴出が続いている。
登り返し。
風が止むとこの天気だから結構暑い。
沼ノ平も見納めです・・・。
峰ノ辻分岐まで戻ってきて、ここからくろがね小屋の方へ下山。
この次来るのは冬かな~。
イワカガミちゃんもまたね。
さっきまでの荒涼な風景とは打って変わって緑に覆われた篭山。
さすが人気のお山、この日もたくさんの人が登っていました。
絶妙なバランス。
鉄山を眺めつつ、
くろがね小屋まで降りてきました。
建て替えのため営業は(一応)来年3月までだそうです。
趣のある建物でここに来ると安達太良山に来たなって感じがするんですが、これも見られなくなってしまうのか・・・。
www.tif.ne.jp
麓にある岳温泉の源泉はくろがね小屋の上のところから引いてるようです。
「くろがね」の名は斜め上の方に見える先ほど登ってきた「鉄」山から。
本当に良い場所に建ってますね~。
今日はめずらしく最後まで天気がもちました(笑)。
最後はヤマツツジに見送られて。
こちらのコースは最後、馬車道と旧道に分かれますが
旧道はショートカットの登山道。
馬車道はなだらかなつづら折りの道、距離はあるけど下りは馬車道の方が楽かな。
鳥川橋の脇からあだたら渓谷奥岳自然遊歩道へも歩けます。
登山口まで戻ってきました。
登山届けを出した人は下山カードを忘れずに。
登山口のすぐ脇にある奥岳の湯。
今日はひとっ風呂浴びていくとします。
最近は登山の〆には赤い缶に入ったメリケンの黒いのが定番みたいな風潮ですが、嘆かわしい限りですよ。
(・・・たまたま売店に売ってたコカ・〇ーラご当地限定ボトル(会津)なんか、か、買ってなんていませんよ、失敬だな全く・・・)
と、言うわけで長年の懸案だったほんとの空と爆裂火口を無事「回収」できました。
また6年後wwwくらいに晴れた安達太良山を歩きたいと思います。
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【コースタイム】
奥岳登山口6:11ー五葉松平7:13ー7:20薬師岳7:28ー仙女平分岐8:00ー8:38安達太良山9:10
ー沼尻分岐9:21ー峰ノ辻分岐9:23ー9:40鉄山9:46ー矢筈の森10:03ー峰ノ辻10:21
ー10:42くろがね小屋10:46ー塩沢分岐10:53ー勢至平分岐11:06ー八の字11:19
ー11:56奥岳登山口 (合計時間:5時間45分、6月上旬)
【累積標高】
959 m (登り)
944 m (下り)
【歩行距離】
13.52 km