GWだけのお楽しみ・標高差800mを駆け下りる残雪期スノーハイク @至仏山

尾瀬にある至仏山(しぶつさん)に登ってきました。

尾瀬の中で群馬側にある至仏山は、福島側にある燧ヶ岳(ひうちがたけ)と並び尾瀬を代表する山で、ともに日本百名山にもなっています。

通常の夏山期間は植生保護のため、山頂から山ノ鼻側への下山は禁止されていますが、雪に覆われたGWのこの時期だけは解禁されます。

何度も登っている残雪の至仏ですが、この時期になるとまた行きたくなってしまう。

というわけで、平成最後の雪山レコです。

 

 

この冬は全くと言って良いほど雪山に行けなくて、今季はこのまま終わりか・・・と思っていました。
が、この登山の3日前に鳩待峠(尾瀬群馬県側の玄関口)までの冬季通行止めが解除されたとのイケない情報を偶然入手してしまいました。

 

 

・・・あれ?

オイラなんでこんなとこにいるんだろう・・・?

 

 

4~5mくらいの積雪でしょうか。

今年は春先の3,4月になって結構雪が降りましたからね。

 

 

さあ、久々の雪山(もう終盤ですが)にレッツラゴーであります。

 

この時期に至仏山へ登山される方は、尾瀬の公式HPなどで事前に状況、禁止区域等を確認した上での入山をよろしくお願いします。

www.oze-fnd.or.jp

 

 

・・・天気予報はピーカンだったんですが、

 

 

盛大にガスってますね・・・。

 

 

まあ、でもこの景色ですよ。

さすがに厳冬期のような凍てつく寒さはないですが、最近低い山歩きが多かったので、それに慣れた体には心地よい寒さ。

 

 

鳩待峠まで開通してまだそれほど日が経ってないはずですが、トレース、目印の赤布もばっちり。

すでにかなり多くの人が入ったみたいですね。

 

 

大抵の登山者はアイゼン、ワカン、スノーシューでしたが、地元?っぽいおじちゃんは長靴で登ってた・・・。

 

 

積雪自体はまだ十分ですが、ツリーホールがそこかしこにできてました。

 

 

この日(この時間帯は)ほぼBC(バックカントリースキー)が8割近く。

純粋な「登山派」は数えるほどで肩身が狭い。

 

 

夏ともなればハイカーやらトレッカーやらが大挙として訪れる尾瀬も、この時期の至仏山スキーヤーとボーダーの天下です。

 

 

ちょっと雲が切れてきたかな。

晴れてれば尾瀬ヶ原越しに燧ヶ岳の雄姿が見られるはずだけど、まだガスの中。

 

 

「これ晴れますかね(笑)?」

 

 

晴れるのを信じて登っていきます。

 

 

・・・すると、

 

 

ガスの切れ間から至仏の稜線が・・・。

 

 

この樹林帯を抜ければ一気に視界が開けるはずですが・・・。

 

 

キタで、これ・・・。

 

 

振り返れば雲海が広がってた。

 

 

右を向けば雲海の先に燧ヶ岳の頂が。

 

 

上を見上げれば飛行機雲が。

 

 

これだから登山はやめられないw

まあ、こんなこと滅多にないんですけどね。

 

 

燧ヶ岳に続いて左奥に会津駒ヶ岳の姿も見え始めました。

 

 

至仏山の頂も見えたで~。

 

 

これを見るため今年も来たんですよ。

 

 

夏になればワタスゲ揺れる湿原のオヤマ沢田代もまだ雪の下。

 

 

至仏山もすぐそこまでに。

 

 

振り返れば至仏の稜線から続く笠ヶ岳、その奥に上州武尊山

 

 

赤城山はまだ雲海の中かな。

後ろから続々登ってきます。

 

 

すっかり晴れましたヨ。

自分にとっては尾瀬はなぜか相性が良い山域です。

それに引き換え那須や安達太良の意地の悪さと言ったら・・・。

 

 

いいね~。

 

 

至仏山へ向かう人たちを追っていきます。

 

 

尾瀬ヶ原を覆っていた雲もだいぶとれてきました。

 

 

BCの人たちは小至仏山には向かわずそのままトラバース。

「山屋」は小至仏山に向かうようです(義務)。

 

 

自分も最近スルーしがちだった小至仏山を目指します。

あれ?こんな急だったっけ?

 

 

まあ、景色見ちゃいますよね。

 

 

久々に小至仏山の頂に立ちました。

至仏山って遠目に見るとなだらかに見えるんですが、なにげに稜線出てからの登りがきついんですよね・・・。

 

 

至仏山から至仏山を望む。

近いようでまだ結構ありまする。

 

 

いったん下って登り返し。

至仏山の左手には新潟・越後三山の越後駒ヶ岳に中ノ岳。

八海山はまだ雲の下かな。

 

 

そして右手には至仏山越しに会津駒ヶ岳、燧ヶ岳と尾瀬の名峰が揃い踏み。

 

 10連休突入前の平日だからまだそんなに人来てないだろうと思って来たら、前も後ろも結構な入山者。

 

 

みんな考えることは同じだったようです。

 

 ちっちゃいピークを越えると

 

 

またピークが現れる・・・。

 

 

景色を眺めつつ疲れをごまかす。

 

 

しんどいとは言ってもこの晴天、景色の中を歩けるわけだから文句は言えませぬ。

 

 

何度も偽ピーク?に騙されながらやっと山頂が見えました。

そして・・・

 

 

標高2228m、仏に至りました。

汚れた心が洗われるようです(何回目だよ・・・)。

合掌。

 

 

越後の方はまだ白いですね。

妙高、火打も遠くに望めました。

 

 

真っ白な平ヶ岳に、奥は飯豊(いいで)連峰かな、そして会津駒ヶ岳

 

 

苗場山もまだ白い。

西側はまだ雲が広がっていて、2000m越えの山の頭だけが出ている感じ。

 

 

登ってきた方を振り返れば武尊に浅間、四阿山(あずまやさん)に志賀高原の山々。

もう少し条件が良ければ武尊の奥に富士山も見えるはずですが、今日は見えず。

日光連山もよく見えましたが撮り忘れた・・・。

 

 

そして真正面に燧ヶ岳。

やっぱり至仏から望む燧が一番良い(と思う)。

 

 

日本有数の高層湿原をはさんでこの二峰を配置するとは、神様も粋なことをするもんやで。

 

 

十分景色を堪能し、さて、この時期だけのお楽しみタイム。

山頂(2228m)から山ノ鼻(1410m)まで駆け下ります。

山ノ鼻へ下りると最後に鳩待峠への登り返しがしんどいんですが、

 

 

正面に燧を見ながらの絶好のロケーション、やはりこれは外せない。

地面が露出したところを避け、雪道を下ります。

 

 

BCの人も颯爽と下っていきましたが、この日は結構気温が上がったため雪が腐ってしまい全然滑らなかったとのこと。

 

 

山ノ鼻の方から登ってくる方とすれ違いました。

こっちの登りはさらにきついかも。

 

 

ヒップそりで、シリセードでと人それぞれ下っていきます。

スキーやボードだったら雪質良ければ10分かからず滑り切っちゃうでしょうね。

毎回ここでBCを見るたびにスキーやりたいな~と思う。

 

 

振り返れば至仏の頂も遠くなりました・・・。

 

 

暑いくらいの陽気になり後半はさらに雪はズボズボ。

スキーヤーも難儀してましたが、こちらもかなり踏み抜きました。

 

 

木の隙間から燧ヶ岳がチラリ。

 

 

後半は樹林帯の中を下っていきます。

 

 

山小屋開きの準備なのか荷揚げのヘリが飛んで来た。

 

 

雪はあっても、木々の緑が加わるともう春だなって感じ。

 

 

すべてが白に染まる真冬もいいですが、緑とのコラボを楽しめる残雪期も雪山の楽しみの一つ。

 

 

山ノ鼻まで降りてきました。

 

 

振り返れば至仏山

そして・・・

 

 

尾瀬ヶ原越しの燧ヶ岳。

見納めです。

 

 

山ノ鼻の山小屋はGWに向けて準備中。

週末ともなればここら辺もテントでいっぱいになるのでしょう。

 

 

鳩待峠に戻りましょうか。

 

 

川上川に沿って歩いて行きます。

雪解け水が冷たそう。

 

 

雪解けの早い年だと、GW後半には尾瀬と言えばのミズバショウなんかも咲き始めてますが、今年はまだその気配はない。

 

 

なんかもう春だなっていう感じですね。

 

 

歩きの方も、スキーの方も今日はご苦労様でした。

今日は天気に恵まれましたね。

 

 

登りが始まると鳩待峠も(距離的には)近い。

 

 

息も絶え絶え最後の登り返しです。

 

 

おお、鳩待峠の建物が見えた・・・。

山頂着いたときよりうれしいのは気のせいか。

 

 

鳩がいたためしがない鳩待峠に無事戻ってきました。

鳩はどこで待っているのか・・・。

 

 

至仏山も見納めでやんす。

この先また何度も来ると思うけど。

 

 

乗り合いタクシーに乗った途端爆睡でした。。。

 

このブログの一番最初の記事は、今回と同じ残雪期の至仏山のレコでした。

何度も登ってるのに、また登りに行ってきてしまいましたが、2年前のレコと同じような写真ばかりで全く成長してないな・・・。

それでも雪に覆われた至仏山は、相も変わらず綺麗でやっぱりとてもいい山でした。
いつも晴れてくれますしね(笑)。

平成最後の(雪山)登山を良い形で締めてくれた至仏山に感謝です。

次回・令和では、夏の至仏山でお会いしましょう~。 

 

 

ーーーーー

 

【コースタイム】

  鳩待峠6:50ー8:40オヤマ沢田代8:41ー9:14小至仏山9:16ー9:45至仏山10:06

  ー11:19山ノ鼻11:26ー13:02鳩待峠  (合計時間:6時間2分) 

 

【累積標高】

  799 m (登り)

  813 m (下り)

 

【歩行距離】

  10.81 km